2024年6月11日のWWDCが終了した。今回は新OS、新製品・新機能などが満載な久しぶりの長時間イベントとなった。しかし、個人的には「iOS 18以外は微妙なアップデートだった」と感じた。今回は、WWDCで発表された6つの新OSと3つの新製品・新機能について記していこうと思う。
今回のWWDCで発表された6つの新OSと3つの新製品
今回のWWDCで発表された新OSは以下の6つ。
・visionOS 2
・iOS 18
・tvOS 18
・watchOS 11
・iPadOS 18
・macOS Sequoia
新製品や新機能は以下の3つ。
・Vision Proが日本でも発売
・AirPodsにソフトウェアアップデート
・Apple Intelligenceの導入
新OS
1、visionOS 2
・Vision Proが日本でも発売(詳細は後述)
・空間写真の生成
・ジェスチャー操作の拡大
・空間ビデオ
2、iOS 18
・ホーム画面でのアプリ自由配置がついに登場
・アプリのダークモードアイコン、テーマカラーの変更に対応
・コントロールセンター内の複数ページ切り替え
・ロック画面内ボタンのカスタマイズ
・Lock an app
・メッセージ機能強化
・メールのカテゴリ分け
・写真アプリのデザイン刷新
・ハイキングルート
・ゲームモード(フレームレートの一貫性向上)
・パスワードアプリの登場
・Apple Intelligence導入
・iOS 17と同様の対応機種
iOS 18は特大アップデートとなった。ホーム画面でのアプリ自由配置、アプリのテーマカラー変更への対応等待ち望まれた機能に加え、Lock an appやパスワードアプリの登場などのプライバシー機能、メールのカテゴリ分けなど、非常に快適になるとすぐわかる機能も大量に発表された。
そして一番驚いたのは「これだけ多くの新機能が登場したのにiOS 17と同様の対応機種を実現している」ということだ。僕のiPhoneはいまだにiPhone XSなのだが、X上でイベントを見ている際も「多分XSは対象外」と連呼していたので、イベント後にXSも対応と知った時には本当に驚いた。
個人的に一番気になるのがバッテリー持ち。iOS 17のバッテリー持ちは従来iOSよりかなり悪いと感じているので、iOS 18で改善されることを願っている。
3、tvOS 18
・InSight
・対話を強調
・字幕の自動表示
4、watchOS 11
・トレーニング中の負荷検出
・バイタルアプリの登場
・スマートスタックが進化
・ライブアクティビティ
・翻訳アプリの登場
・チェックイン機能
・Apple Watch Series 4、Series 5、SE(第1世代)はアップデート対象外
5、iPadOS 18
・計算機アプリの登場
・スマートスクリプト
・ホーム画面、コントロールセンター、写真、メッセージなどの強化(iOS 18で前述)
・フローティングタブバー
・Apple Intelligence導入
・iPad(第6世代)、iPad Pro 10.5インチ、iPad Pro 12.9インチ(第2世代)はアップデート対象外
iPadOS 18もiOS 18と同様の特大アップデートが行われた他、計算機アプリなど実用的な機能が登場している。
今回の新iOS、新iPadOSの特徴は「待望の実用的機能が多数登場している」ことだが、5月のiPad発表イベントに続くクリエイティブ系機能の大幅強化を期待していたので、正直iOSと比べて印象に残りにくい発表内容だと感じた。
また、iPadOS 18ではA10系のチップを搭載したiPadがアップデート対象外となっている。とはいえA10系のチップを搭載したiPhoneはiOS 15が最終OSなので、iPhoneと比べると長いサポート期間だと思う。
6、macOS Sequoia
・iPhoneミラーリング
・ウィンドウをタイル上に配置
・パスワードアプリの登場
・Safariに「ハイライト」機能が登場
・新しいゲームタイトル
・Apple Intelligence導入
・MacBook Air(2018、2019)はアップデート対象外
正直大きな変化はないと感じた。iPhoneミラーリングは「そもそもiPhoneには指という最高のポインティングデバイスがすでに存在するのに、わざわざマウスやトラックパッド、キーボードで操作する理由がわからない」と思ったし、他に「Sequoiaにアップデートしたから何か生活が変わる」という機能も見当たらない、とにかく微妙な発表だったと感じた。
新製品・新機能
1、Vision Proが日本でも発売
・日本、中国、シンガポールで6月28日より、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イギリスでは7月12日より販売開始
・ストレージ:256GB、512GB、1TB
・599,800円(税込)〜
visionOS 2発表と同時にVision Proが日本でも発売されることが発表された。256GBでもほぼ60万円という価格は非常に高いと感じるが、当ブログの現メイン機でもあるiMac(2020)の価格がアクセサリー等含め35万円程度だったことやStudio Display、Pro Display XDRの価格と比べると「最先端の体験や機能を考えるとそれほど高くないかも?(金銭感覚麻痺)」とも思ってしまう。
安価なモデル(無印VisionやVision Air?)の追加、対応機能増加、小型軽量化などによって普及が進めば、複数ディスプレイ(特にトリプルディスプレイ以上)ユーザーには「持ち運びもできるマルチディスプレイ環境」として非常に魅力的な選択肢となる可能性も高そうだ。
まだ全ての人に勧められるものではない(高すぎて買えない)とはいえ進化をリアルタイムで見られることは非常に楽しいし、早く実機も見てみたい。噂ではとにかく重く感じるらしいが、果たして実機の体感重量は・・・。
2、AirPodsにソフトウェアアップデート
・首を振るだけでSiriへの返事が可能に(AirPods Pro 第2世代のみ)
・「声を分離」機能に対応(AirPods Pro 第2世代のみ)
・ゲームでの空間オーディオに対応(AirPods 第3世代、AirPods Pro、AirPods Maxのみ)
AirPodsへのソフトウェアアップデートで拡張機能の追加が行われることが発表された。僕はAirPods 第2世代を使用しているのでどの機能も体験することができないが、首を振るだけでSiriへの返事が可能になるのは魅力的だと感じる。
3、Apple Intelligenceの導入
・書き直し、公正、要約が可能に
・優先通知、優先表示機能
・Image Playground(画像生成機能)
・写真のクリーンアップ機能(消しゴムマジック)
・Genmoji(オリジナル絵文字作成機能)
・Siriの大幅進化
・ChatGPT(GPT-4o)との連携機能
・プライバシー重視
・A17 Pro、Mシリーズチップ搭載機種限定
リークで何度も言及されてきたAI機能の強化も行われた。これが全て無料で使えるということにAppleの凄さを感じる。
しかし、対応機種がかなり限定されているのが問題だ。ちなみに当環境のApple製品に対応機種は0。購入予定のiPad mini 7が対応することを期待する。
まとめ:最新OSがあるからといって生活が変わるようなことはない
今回のWWDC、個人的には「iOS 18とVision Pro以外は微妙」と感じた。
iOSのアップデートは実用性重視で配信が楽しみだし、Vision Proは日本での発売による普及加速への期待がある。
しかし今回のWWDCで「この機能があるから生活が変わる、この機能がなければ生活できない」と思うようなものはなかった上に、先月のイベントに続くiPadのクリエイティブ系機能の進化もなかった。それどころかmacOS SequoiaのiPhoneミラーリングやApple Intelligenceのような「出番なさそう」、「なんだ対象外か」とがっかりする瞬間の方が多かったとすら思う。
以前は「最新OS非対応=戦力外通告」と感じるほどの明確な機能差があったが、最近は全くない。「最新OS非対応だから」新機種を買おうと考えている人には、そのような理由で買い替えを行わないことをおすすめする。
次の期待は9月のApple Event。今回のWWDCでiOS 18にiPhone XSが継続対応されたことによって「iPhone XSとApple Watch X(おそらく9月に発表される)のX揃え」ができる可能性が高いことがわかった。現在Apple Watchの購入検討をしているので、X月(10月)にX揃えができれば、、、などと思っている。
あとiPad mini 7はよ。
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