愛機HHKB Professional 2 Type-Sが経年劣化により故障が頻発。しかし修理は不可能らしく、最終的に有償交換修理となった。なんと交換修理機は最新モデルのHHKB Professional HYBRID Type-S。
ここからは、デスクではREALFORCE、外出先ではHHKBを愛用する東プレスイッチ沼ズブズブ状態の管理人によるHHKB最新モデル今更開封、そして、最新HHKBが従来モデルから進化したポイントについて、オタク視点で細かい変化を記していこうと思う。
HHKB 交換修理についての詳細はこちら
今回HHKBが有償交換になった詳細はこちら。
[HHKB公式の故障品超高額買取!?]HHKBが故障した時の問い合わせ方法と修理の流れ(現在執筆中)
開封
到着。今回購入したのは雪。
以前は限定モデルとして販売されていた。現在は一般ラインアップに加わったが、一般販売後も箱は他モデルと違う真っ白の仕様。素晴らしい特別感。
もちろんこのグレーの印字も雪の箱限定。シンプルを極めた印字がこのキーボードの世界観を演出している。
裏は残念なスカスカ状態。シンプルさと白さに徹底するというのはこのカラーの世界観にはぴったりだが、個人的には気持ち悪いほどアピールポイントがびっしりと書かれていたPro 2の箱の裏面の方が好みだった。
開封。今回選択したのは無刻印!そして箱は内部まで真っ白。この徹底した世界観の作り込みが最高。
取り出してみる。実はこの白さを味わうことができるのは雪の無刻印のみ。有刻印の本体には製品ロゴが刻印されているため、この白さを味わうことはできない。
袋から取り出す。HHKBが進化して帰ってきた!!!
説明書は以前のモデルより確実に増えている。当然少ない方がいいのだが、HYBRID接続対応で機能が増えていることを考えると、これは仕方ないことなのかもしれない。
早速起動して接続開始。起動もペアリングも爆速。Pro BTとは比較できないレベルの高速起動と接続。
Apple製品と並べた時の一体感は素晴らしい。これは以前の白では味わえなかった一体感。
メインキーボード3ショット。2024年1月のREALFORCE R2 for Mac購入をきっかけに、黒系ばかりだった当ブログのメインキーボード環境はたった1年で真っ白に変貌した。もはや雪どころか猛吹雪という状態である。しかし、白は細かい色の差がわかりやすく同じような色でもそれぞれの個性が見えやすいということもあってか、想像より飽きる兆候もないので個人的には大満足。
接続も完了したので、ここからレビューをしていこうと思う。
HHKBの変わらないポイント
僕がHHKBを6年間使い込んで感じた魅力は以下の記事にまとめてある。この記事と合わせて確認すれば、「HHKBの最新モデルが自分の生活に合うのだろうか?」という問いの答えは自然とはっきりしてくるのではないだろうか。
[6年間毎日愛用]13台のキーボードを所有するキーボードマニアがHHKBを手に取り続ける6つの理由
最新HHKBの進化点
ここからは、最新のHHKBが従来モデルから進化した点についてまとめていこうと思う。
キーボードオタクになった6年間の間にREALFORCEを3台(初代、R2、R3)、HHKBを2台(今回有償交換にしたPro 2 Type-S、Pro BT)使い込んだ東プレ信者なりの視点で考察すると、細かい部分でかなり改良された点がいくつも見つかった。
1、2つの最高峰が融合したProfessionalシリーズの最強モデル
今回開封しているモデル「HHKB Professional HYBRID Type-S」は、HHKB Professionalシリーズの最上位モデルで、Bluetooth、静音スイッチなど非常に充実した機能を搭載している。
実はこのモデルが販売されるまでBluetoothと静音スイッチの両方を装備したモデルはラインナップされておらず、有線モデルの「HHKB Professional 2」に静音スイッチを搭載した「HHKB Professional 2 Type-S」、Bluetoothキーボードとして新設計された「HHKB Professional BT」が販売されていた。
HHKBデビュー当時まだキーボードオタク初心者だった僕は、Bluetoothキーボードも静音スイッチキーボードも欲しかったのでどちらも購入することになった。とはいえ、購入時は「なぜ同じキーボードを2台買わなければいけないのか」、「なぜBluetoothと静音スイッチの両方が搭載された機種がラインアップされていないのか」思いながら迷い続けたことを覚えている。
※僕がHHKB Pro BTを買い足しした2020年5月時点、すでにPro HYBRID Type-Sが販売されていた。しかし購入しようと思っていた墨キートップ装備のType-Sは打鍵音があまりにも酷く、動画でも分かってしまうレベルのカサカササウンドだったため購入は見送りに。その時旧型となったPro BTがセール対象になったので購入。異例の高使用率をキープし続け現在に至る。
そのような経緯があったため、Bluetoothと静音スイッチという旧モデルでは2機種に分かれていた最高峰が1台のキーボードに詰め込まれたProfessional HYBRID Type-Sは当然欲しいと思い、いつの日か憧れのモデルとなった。
そして今回Pro 2 Type-Sの有償交換という形でいきなり入手して使いはじめることになったのだが、最高峰が融合したこのキーボードの期待通りの快適性に感動が止まらない。
BluetoothはHYBRID機能に進化。電源ON、OFFなどの基本動作も高速化されている上に、入力中の接続も非常に安定、旧機種にあったわずかな遅延感は無くなったと言って良いだろう。さらに無線4機種、有線1機種の接続先切替も簡単に切り替えられるため、Pro BT以上に気軽に手に取ることができるようになったと感じる。
そして静音Type-Sスイッチはいつも通りの静かだ。従来モデルと比べ全体の完成度が大きく向上している(詳しくは後述)のか、以前のような不自然な低音の響きも少なくなっている。
接続ストレスや打鍵音の大きさという従来モデルのストレスポイントがしっかり解消され、さらに細かい部分が改良されているこのHHKB Pro HYBRID Type-Sは、2025年現在最高のHHKBだと言えるだろう。
2、完成度の改善
自宅でも外出先でも静電容量無接点方式ズブズブ生活を送りたい変態系東プレ信者の悩みとして「外出先でHHKBを使うときに、自宅のREALFORCEと比べて全体的な完成度の低さを感じてしまいストレスになる」というものがあった。
特にPro 2 Type-Sは基本設計の古さを考えると仕方ないというレベルではあるのだが、新品開封直後から筐体のベゼル部分を強めに持つとギシギシ音が聞こえる(経年劣化により範囲は筐体全体に広がってしまった)、吸振マットが無いとキーボードが滑って打ちにくい、ラバードームの打鍵感劣化が異常に早い(つまり生産精度が低い)など致命的な問題点が多く存在し、「おもちゃ、安っぽい、配列頼り、REALFORCEもどき」という感覚が常につきまとった。
Pro BTではここまで酷いとは感じられなかったが、静電容量無接点方式としては汚れに対する耐久性があまりにも低い(汚れ原因でサポートに2回も問い合わせ)、吸振マット装着時の打鍵感向上が得られない設計(最上段下にマットが無いので、最上段を押下するとキーボードが傾く)、など、細かい部分で感じるストレスは相変わらずという感じで、配列はいいけど打鍵感はREALFORCEと比べると微妙・・・という感じだった。
しかしHHKB Professional HYBRID Type-Sではそのようなポイントが一つ一つ改善されている。
まず、吸振マット未装着でも打鍵中に本体が動かないレベルの剛性とゴム足面積の確保。以前のようなストレスは全くなく、REALFORCEと比べても違和感がない素晴らしい安定感だ。さらに本体底面の設計変更により吸振マットがキーボード底面の全体を覆うことが可能になり、結果的にマット装着、未装着どちらも従来より1ランク上の快適さを実現している。
そして本体剛性も大きく向上し、Pro 2 Type-S自体にあったベゼル部分のギシギシ音は聞こえず、打鍵時にしっかりした塊感を感じるようになった。
さらにネット上の情報ではラバードームの生産精度上昇まで行われているらしい。Pro BTで気になった埃や汚れへの耐久性も含め、今後使い込んで検証してみたいと思っている。
ちなみに筐体素材変更による黄変対策もされたらしい。が、白系は黄変してからの使い込みからが本当の楽しみだと思っているので、この素材変更にはあまり魅力を感じなかった。
3、美しいカラバリ「雪」の追加
従来販売されていたHHKB 白はくすんだ白とグレーの組み合わせであって「完全な白」ではなく、当然真っ白のHHKB登場が待ち望まれていた。
そして登場したのがこのHHKB 雪。特に無刻印の美しさは言うまでもないだろう。ロゴすらないという真っ白(軸は黒でしたw)のキーボードは、限定モデルの雰囲気そのものだ。
従来の白の色味が理由でHHKBの購入を躊躇していた人にとって、真っ白のHHKB 雪は有力な選択肢になるはずだ。
※本記事執筆後にHHKB 雪と初外出したのだが、雪は汚れや埃が非常に目立ってしまうということが発覚したため、外出にはPro BT墨を継続使用することが決定した。雪は既存ユーザーの買い足しとしておすすめし、HHKB初購入の人には墨か白をおすすめすることになりそうだ。
改善希望点
もちろん改善希望点も見つかった。こちらもオタク視点になってしまうが、書かずにいられないポイントがあったので記していこうと思う。
1、不自然なスイッチ挙動
期待していたType-Sのスイッチだが、時々不自然な挙動が見受けられることが気になる。
キーの初動は所有しているキーボードの中でもトップクラスに硬く、「これは本当にスイッチなのか?」と疑うほどである。しかしその硬さを超えて押下がはじまると、キーはREALFORCEの30gに近い軽さでスコンと沈む。底打ちは硬めで、ラバードームの柔らかな粘りの打鍵感があるのはかなり強打した時のみ。結果、静電容量無接点方式特有の高速打鍵をするには強打を繰り返す必要がある。
リニアな挙動かつラバードームの柔らかさを常に保つREALFORCE 30gスイッチの荷重特性とは比べる気も起きない、あまりにも不自然で中途半端なスイッチ挙動だ。
使い込みによってこの挙動が改善されるか、よく観察していこうと考えている。
2、雪キートップのカサカサ感
これは2024年1月に購入したREALFORCE R2SA-JP3M-WHでも気になっていた。
実は雪キートップは他色より打鍵感が乾燥気味で、打鍵音はカサカサ音基本の低確率で謎の高音が聞こえるという感じで、単純な打鍵性能だけで比較した場合、かなり微妙という結論になる。
これは染料の影響の可能性が高いので仕方ないのかもしれないが、従来の白ではこのようなことはなかったので、これから少しずつ改良されていくことを祈る。
まとめ:最大の進化は
このHHKB Professional HYBRID Type-Sにはさまざまな進化ポイントがあるが、個人的に一番大きいと感じた進化点は旧モデルを圧倒する完成度の高さだ。おそらくHHKB史上最高と言っていいだろう。従来HHKBとは1ランク、2ランク違うこの完成度の高さには驚きが止まらない。
そして現行ラインアップも発売から5年が経過し、新モデルへの世代交代の時も近づいているはずだ。今後発売されるであろう新モデルがどのような進化をするかすでに楽しみで仕方がない。当記事で挙げた改善希望点や他ユーザーの不満点などが解消され、さらなる完成度の上昇と機能の進化を果たす日を楽しみにしている。
最後に、当ブログではHHKB Professional HYBRID Type-Sの使い込みを、発売5年経過した2025年からスタートする。これからアクセサリーも揃え、さまざまな場面で愛用し、発見したことは当ブログに記していこうと思う。新HHKBとの生活が本当に楽しみだ。
これからよろしく、HHKB Professional HYBRID Type-S!
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