2024年4月23日、僕は人生初の15インチMacBookとなる「MacBook Pro 15インチ(Mid 2015)」を中古で購入した。ただの自己満足な記事で申し訳ないが、今回は2024年に2015年モデルを購入するという謎のレビューを、謎のハイテンションで行っていこうと思う。
今回購入したMacについて
今回購入したMacのスペック・購入店舗は以下の通り。
購入スペック
機種:MacBook Pro 15インチ(Mid 2015 上位モデル、MJLT2J/A、MacBook Pro 11,5)
プロセッサ:2.5GHzクアッドコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.7GHz)、6MB共有L3キャッシュ
メモリ:16GB 1,600MHz DDR3Lオンボードメモリ
ストレージ:512GB PCIeベースフラッシュストレージ
グラフィックスとビデオ:Intel Iris Pro Graphics、AMD Radeon R9 M370X(2GB GDDR5メモリ搭載)、グラフィックス自動切替機能
キーボード:JIS配列
僕はRadeon R9 M370X搭載の上位モデル「MJLT2J/A」を購入した。Radeon非搭載でCPUが最上位にカスタマイズされたモデルやSSD容量が1TBのモデルもあったが、CPUは最上位と最下位でもベンチマーク差が少ない上にメモリは全モデル16GB、SSDは交換可能という2015年モデルの特徴を踏まえ、今回はグラフィックスのスペックを優先することにした。
購入店舗
購入店舗:ソフマップ(中古販売専門「リコレ!」)
購入状態:Bランク(少々のキズがあるものの、動作・機能には支障のない良品)
付属品:ACアダプター(本体用)、ACウォールマウントプラグ、電源コード、外箱
今回はソフマップで購入した。これまで中古Apple製品はソフマップでiPhone 6s、イオシスでiPhone XSを購入した(どちらもBランク)が、同じBランクでも長期に渡り動作が安定していて好印象だったソフマップを選択。他サイトより販売価格が安い上にラインアップも多く、今回も非常に好印象だった。
偶然「上位モデルでBランク、綺麗な付属品付き」と驚くほど購入条件にあった個体が販売されていたので、購入スペックが確定してすぐに購入を決断した。
開封
きた。
中古なのでApple製品お馴染みの爆弾箱ではないが、新品並みの現状梱包にテンションMax。
箱有りモデルを選んでよかった。しかも箱の状態も綺麗。
手に取る。とにかく重い。
いつも使っているMacがMacBook Pro史上最薄最軽量の2016〜2019筐体なので異常に重く感じてしまうのだろう。とにかく重さを、とにかく厚さを感じる。
箱の裏側を確認。正真正銘の上位モデル。愛機MacBook Pro 13インチ(2017)はTouch Bar搭載モデルの下位モデルだったので、上位モデルのスペック表示を見るのは人生初。嬉しすぎてスペック表を表札にしてしまいそう。
開封。
ここで「最後の光るAppleロゴ搭載MacBook Pro降臨!!!」と言いたかったのだが、ロゴは光っていない。
ロゴが光らないのが心配だが、とりあえず箱から出してみる。重い、厚い。プロには「これぞPro!」と感じる感覚なのかもしれないが、激薄Macに慣れている僕は持つだけでも恐怖で手が震えてしまう。
付属品完備。美しい。この電源アダプタ、情報収集中に1万円以上という超高級品であることが発覚。変色もなく、断線もないようで安心。
トップケースは傷多め。パームレスト部分には腕時計のような物が当たったと思われる少し大きなキズがある。付属品完備であることやこの傷から、自宅でも外出先でもドヤ顔で大切に酷使されてきたと推測。長期間放置による内部部品の不調はなさそうな個体でさらに安心。
そんな酷使されてきたことを思わせるトップケースの状態とは裏腹に、バッテリー交換回数は衝撃の38回。感動。
起動。
ついにりんごが光った!!!
ライトユーザー、かつ既にiMacユーザーなので前所有者ほどガンガン使い込める自信はないけど、これからよろしく、MacBook Pro 15インチ!!!
1週間使用レビュー
ここからは、6年間酷使してきた愛機MacBook Pro 13インチ(2017)やメイン機iMac 27インチ(2020)と比較しながら、MacBook Pro 15インチ(2015)のメリット・デメリット、大型MacBookを購入する際の注意点を記していこうと思う。
小型サイズの13インチと大型サイズの15インチの比較、さらに現MacBook Airに通じる軽量薄型デザインと現MacBook Proに通じる重量級厚型筐体を比較しながらの使用レビューとなるので、最新モデルの購入で迷っている人にも少しだけ参考になる部分があると思う。
メリット
1、13インチと15インチの作業領域は別次元
これまで13インチと15インチの店頭実機を見ても「たった2インチ。全然変わらない。」と思っていたのだが、今回13インチと15インチを長時間比較してみた結果、13インチと15インチは全く別物であると感じた。
特に違うと感じたのは作業領域による快適性。僕はとある理由で数ヶ月前にメイン機をMacBook Pro 13インチからiMac 27インチに変更したのだが、それから無意識にアプリの複数常時起動やSplit Viewの使用回数が増加、それによって13インチの画面サイズの小ささや動作の遅さに不満を感じたのが今回のMacBook Pro 15インチの一番の購入理由だった。とはいえ購入後も「2インチ大きいだけで快適になるのだろうか?後悔しないだろうか?」という不安があった。
1週間色々検証したが、15インチでは13インチと別次元、iMacと全く変わらない快適さで作業ができると感じる。それどころか、これは「iMacなのでは?」と思ってしまうこともある。もちろん13インチよりスペックが高いのも理由かもしれないが、この2インチのサイズアップが最大の理由だ。
Split Viewも文字が小さすぎることがなく快適、複数起動で長時間作業をしても疲れやストレスを感じない。その快適さと引き換えになるデメリットが全くないとは言えないが、15インチは使えば使うほど惚れていく最高のディスプレイサイズだと感じている。
現在MacBookを購入検討している人の中で13インチと15インチのどちらにしようか迷っている人や、14インチや16インチのどちらにしようか迷っている人は多いと思うが、僕は「どこでもフルパワーで作業したいと1%でも思っている人」には15インチや16インチの大型MacBookを選ぶことをお勧めしたい。MacBookだけでいつでもどこでもフルパワー、ノーストレスで作業できる楽しさに感動するはずだ。
2、本体重量によるキーボードの安定感が中毒的
次に驚いたのが、「これはMacBook界のREALFORCEか?」と思ってしまうほど快適なキーボード。
MacBook Pro 15インチ(2015)のキーボードは本当に最高だ。僕はREALFORCE R2SA-JP3M-WHをデスクで常用しているのだが、MacBook Pro 15インチ(2015)のキーボードはタイピングゲームでは押下圧が重く感じるものの、スローペースな日常的タイピングではREALFORCEなどの高級キーボードと変わらない、もしくはそれ以上の打鍵感を持つキーボードだと感じている。
そんなMacBook Pro 15インチ内蔵キーボードの素晴らしい打鍵感を生み出しているものこそ、開封時に何度も驚いた本体重量である。
高速タイピングする際には本体重量による安定感が重要なポイントとなるが、MacBook Pro 15インチ(2015)の重量は驚愕の2.04kg。MacBook Pro 13インチ(2017)より700gも重く、REALFORCE R3のフルキーボードより400gも重いのだ。このように表記すると「キーボードが良くなっても持ち運びが辛くなるのでは?」と思う人は多いだろうが、ノートPC内蔵キーボードなので荷物数が少なく持ち運びも簡単、当然13インチと外付けキーボードを持ち運ぶよりも軽い。高級な打鍵感を持つキーボードが内蔵されていることによって「長時間タイピングするかもしれない外出だけど、とりあえず15インチがあれば大丈夫。」と外出時の準備も気軽に行えるという大きなメリットがある。
また、この打鍵感には筐体の厚さも影響している。現行モデルでいえばAirとProの違いだ。厚さがあると打鍵時に安定感があり、長時間タイピングをしても疲労が少ない。一度使ったら薄型筐体には戻れない「打鍵時の安定感」という魅力が、重量級厚型筐体のキーボードには存在する。
余談だが、よく13インチや14インチを勧める理由として、MacBookの上にHHKB等の省スペースキーボードを置いて使う「尊師スタイル」と呼ばれる使い方が最高だからというものがあるが、僕は15インチや16インチと比べた時に尊師スタイルのメリットは少ないと思う。そもそも僕が15インチの購入を検討しはじめたのは尊師スタイルがあまりにも不便だったからである。
実際、僕も15インチ購入までは13インチで尊師スタイルを使っていたのだが、HHKBが500g程度と重い上にキーボードだけではなくパームレストやキーボードブリッジなどのアクセサリーが必要になり、結果的に15インチや16インチよりも荷物数も重量も上回ってしまうのだ。さらに尊師スタイル使用時はキーボードの排熱機構を塞いでしまうことによる処理速度低下や、それが原因によるトラブルが発生してしまうなど排熱面でもデメリットが多く、不便な面も多いのだ。個人的には、尊師スタイルを常用したいという人には、素晴らしいキーボードを内蔵している15インチや16インチをお勧めしたい。
3、Appleロゴが光る最後のMacBook Pro
MacBook Pro 15インチ(2015)の完成度の高さによる様々な伝説は、Apple信者にはよく知られていること(その理由が愛機でもある激薄筐体2016〜2019の設計不良であることはかなり複雑な気分)だが、この機種の魅力はその完成度だけではない。
そう。このMacBook Pro 2015はAppleロゴが光る最後のMacBook Proなのだ。
とりあえずこのロゴを見て欲しい。
史上最高の完成度を誇る筐体に光り輝くAppleロゴ。これ以上のMacが存在するだろうか?
デメリット
ここからはMacBook Pro 15インチ(2015)のデメリットを記していこうと思う。偶然どのデメリットも13インチから15インチへの乗り換えでの注意点となったので、13、14インチから15、16インチへ買い替えを検討している人にはぜひ読んでもらいたい。
1、激重、激厚
これまで15インチの重さや厚さ、そしてサイズ感を絶賛してきたが、当然13インチと比べて重くて厚い。
手にサッと持って移動できる13インチと違い、15インチを手に持つときはその重さと厚さに恐怖を感じる瞬間が多い。
また、開いた状態で片手で支えるのも難しく、くつろぐ時の使用はほぼ無理。
現在15インチや16インチの購入検討をしている人は、これは「持ち運びができるiMac」だと考えて買った方がいい。何度も言うが、13インチとは別物である。
2、ホームポジションが決まらない
実は、僕が現在一番違和感を感じているのが「ホームポジションが決まらない」ことだったりする。集中したい時に手の位置が決まらないと集中力がかなり落ちてしまう。
13インチのパームレストのスペースは狭く、自然と手を置く位置やホームポジションが決まった。しかし15インチのパームレストのスペースは圧倒的に広大。手の置き位置もホームポジションも簡単には決まらない。今も最適な手の位置が見つからないので、僕は前所有者が腕時計らしきもので付けたと思われる手首型の傷を参考にホームポジションを作っている。現状これで快適性を保っている。
無意識に最適なホームポジションを作れるようになるまでの期間については長期間使用レビューで再び言及しようと思っている。
3、正直USB-A以外の必要性を感じない
MacBook Pro 2015といえば、様々なポートを搭載していることも大きな特徴だ。2016からUSB-C×4になったもののポート復活の声は大きく、Apple Silicon化と同時にMagSafe、HDMI、SDが復活。2015と同じようなポート配置に戻った。
もちろんこのポートの多さも僕が2015を選んだ理由の一つで、当然のように様々なポートを高頻度で使うと思っていた。が、現在USB-A以外にまだ出番がない。MagSafeは便利だが左側充電に限られるのがかなり不便に感じるし、Thunderbolt2もHDMIもSDも出番がない。唯一出番が多いのがUSB-Aで、USBメモリや外付けキーボードの接続に何度も使用している。
とはいえHDMIやSDは外出時をメインにこれから使う可能性が高そうなのでこれから色々検証してみたいと思うが、少なくとも現行MacBook Proで復活するほどMagSafeに魅力があるとは感じない。それよりもUSB-Cポートを1つ増やした方がいいのでは?とすらと思う。同時にUSB-Cポートのマグネット化ができるアダプタの開発を行い、擬似MagSafeを作った方が良かったのでは(実際にCIOがマグネットケーブルの販売をしており、僕も愛用している)。
まとめ:15インチはiMac mini
人生初の15インチを手に入れて思ったことは「これはMacBookではなくiMac miniだ」ということ。
15インチや16インチが欲しいと思っている人は「自分は小さいiMacが欲しいか?」と考えると自分に合うか合わないかの判断ができると思う。iMacの快適さを持ち運びたいと思うなら後悔しないし、逆に「13インチより少し大きいサイズが欲しい」のような考え方だと後悔する可能性が高いと思う。
僕の場合は「外出時もiMacの快適さが欲しい。というかiMacを持ち運びたい。」という理由で購入したので、現在大満足だ。それどころかこの絶妙なサイズ感が中毒的すぎて、家でもiMacより15インチを使用していることが多くなっている。
これからも長期外出での検証、13インチ・14インチから15・16インチへの乗り換えで注意すべきこと、iMacと15インチの比較(大型MacBookで考えるApple製品の今後のラインアップ考察)など色々な検証レビューや考察をしていこうと思う。
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